父の薬を、今の暮らしに合わせて見直してもらった話


父の薬は、以前からいくつかありました。

血圧の薬、しびれに対する薬、手術後の貧血予防のためのビタミン剤。

ひとつひとつには理由がある薬でも、年齢を重ねると、管理そのものがだんだん大変になってきます。

父は薬をヒートのまま保管するだけでなく、1錠ずつハサミで切り分けていました。

本人としては「飲みやすくする」「管理しやすくする」つもりだったのだと思います。

でも、切り分けられた薬は、どの薬が何錠残っているのか、いつ飲む分なのかが、かえってわかりにくくなります。

小さなヒートがあちこちに分かれて、薬の管理が迷宮入りしていました。

これは父だけの話ではなく、高齢の方ではわりとよく起こります。

手元で扱いやすくしようとして、1錠ずつ切る。

でもその結果、薬の名前も残数も見えにくくなり、飲み忘れや重複の確認が難しくなることがあります。

そこで、薬局で一包化してもらうことにしました。

一包化というのは、朝食後、昼食後、夕食後など、飲むタイミングごとに薬をまとめて袋に入れてもらう方法です。

父の場合も、一包化してもらったことで、薬の管理がかなり見やすくなりました。

さらに施設入居をきっかけに、飲み方も見直してもらいました。

それまでは何回かに分けて飲む薬がありましたが、本人にとっても家族にとっても、何度も薬を飲む、確認するというのは負担です。

医師に相談して、飲むタイミングを朝食後と夕食後に整理してもらいました。

もちろん、すべての薬が自由にまとめられるわけではありません。

薬によっては、食前でないといけないもの、寝る前がよいもの、時間を空けたほうがよいものもあります。

でも、薬によっては、生活に合わせて飲むタイミングを調整できることがあります。

今回は、薬そのものも見直してもらえました。

服用期間、効果が出ているかどうか、食事量や運動量の変化、生活環境の変化。

そういったことを医師に見てもらい、結果的に薬をいくつか減らすことができました。

薬を減らすことが目的ではありません。

でも、今の暮らしに合った薬なのか。

本人が続けられる飲み方になっているのか。

そこを確認してもらうことは、とても大事だと感じました。

自宅では、血圧計を出して自分で測るのがだんだん億劫になっていました。

でも施設には、腕を入れるだけで測れる血圧計があり、それでまた測るようになりました。

血圧の記録があると、薬の見直しにも役立ちます。

高齢の親の薬管理は、家族だけで抱え込むにはけっこう重いです。

薬が多くて大変。

飲み忘れが増えてきた。

本人が薬をうまく管理できなくなってきた。

家族が確認するのもしんどい。

そんなときは、医師や薬剤師に相談していいと思います。

そのときに活用してほしいのが、お薬手帳です。

お薬手帳は、薬の名前を確認するだけのものではありません。

残っている薬の数。

飲み忘れが多い時間帯。

食事量や活動量の変化。

血圧の記録。

家族が困っていること。

こういうことをメモしておくと、次の受診のときに医師へ伝えやすくなります。

薬局でも、薬剤師に相談しやすくなります。

「昼の薬をよく忘れます」

「ヒートを切り分けてしまって、残数がわかりにくいです」

「朝夕の薬に整理できませんか」

「最近、食事量や活動量が変わりました」

こういう具体的な困りごとは、お薬手帳に書いていいことです。

薬は、自己判断で減らしたり、飲むタイミングを変えたりしないほうがいいです。

でも、家族が全部がんばって抱え込む必要もありません。

薬は、今の暮らしに合わせて見直せることがあります。

本人が続けられる形にすること。

家族が管理しきれる形にすること。

そのために、医師や薬剤師に相談すること。

それも、服薬支援の大事な一部だと思います。